
ロサンゼルス・ドジャースは23日(日本時間24日)、敵地フェニックスで行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で、まさかの逆転サヨナラ負け(4-5)を喫した。
先発の大谷翔平は6回2安打無失点、9奪三振と圧巻の投球を披露。味方打線も援護点を奪い、4点のリードを手に降板したが、救援陣が崩壊し、2勝目は幻と消えた。
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完璧な立ち上がり、奪三振ショー
この日の大谷は序盤から快調だった。
1回表を三者凡退で切り抜けると、2回には鋭いスライダーで連続三振。直球は最速98マイル(約158キロ)を計測し、変化球との緩急で相手打者を翻弄した。
6回までに許した安打はわずか2本。与四球1に対して奪三振は9。特に中軸打者のキャロル、ウォーカーを完全に封じ込め、アリゾナ打線に付け入る隙を与えなかった。
試合後、現地メディアも「無双のピッチング」「本来なら勝利投手に値する」と絶賛したほどだ。
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4点リードでの降板、しかし…
ドジャース打線は4回、ムーキー・ベッツのタイムリーなどで3点を先制。さらに6回に追加点を加え、スコアは4-0。
この時点で大谷は90球を投げており、首脳陣は今季の球数制限を考慮し、6回でマウンドを降りる決断を下した。
ファンの多くは「これで勝負あり」と安心していた。だが、野球は最後まで分からない。
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救援陣の崩壊と悪夢の9回
7回、リリーフが1点を失い、嫌なムードが漂い始める。8回にも追加点を許し、スコアは4-2。
そして9回裏、ドジャースは守護神を送り込んだが、これが裏目に出た。連打と四球で満塁のピンチを招くと、最後は右中間を破るサヨナラ打。土壇場で一気に3点を失い、試合は悪夢の幕切れを迎えた。
ベンチの大谷は、グラウンドを見つめながら表情を変えずにタオルを握りしめていた。その姿は「やりきった者の無念さ」を物語っていた。
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勝ち星の行方と数字のもどかしさ
先発投手の勝利は「6回以上投げて降板時にリードしており、チームがそのまま勝利した場合」に記録される。
大谷は条件をすべて満たしていたが、救援陣の崩壊で白星は消滅。シーズン成績は依然として0勝1敗、防御率1点台のままとなった。
個人としては好投を重ねながらも数字に報われない展開が続いており、本人にとってももどかしい状況だろう。
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チーム全体への影響
今回の敗戦は単なる1敗以上の重みを持つ。
• 救援陣の不安定さが再び露呈
• 大谷の快投を勝利に結びつけられなかった采配ミス
• プレーオフ争いを意識する終盤での精神的ダメージ
ダイヤモンドバックスにとってはポストシーズン進出への望みをつなぐ大金星だが、ドジャースにとっては痛恨の結果となった。
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大谷の存在感と今後の焦点
それでも大谷の投球は、ドジャースにとって明るい材料であることに変わりはない。
「二刀流」としての完全復活を見据える今季、投手としてこれほど安定した内容を見せられるのは大きな収穫だ。
チームが課題を克服できるかどうかは、救援陣の立て直しにかかっている。
一方で大谷が今後も規定投球回数を積み上げれば、サイ・ヤング賞レースに絡む可能性すらある。
勝敗の数字以上に、彼の存在そのものがチームに希望をもたらしているのは間違いない。
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ネットの声
試合直後、SNSには「翔平の勝ち星を返してくれ」「完璧すぎて泣ける」「ブルペンどうにかして」という声が溢れた。
ファンの怒りと落胆は大きいが、それ以上に大谷への称賛も相次ぎ、「これだけやって報われないのは悔しすぎる」という共感が広がっている。
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まとめ
• 大谷は6回無失点9奪三振の圧巻投球
• 4点リードを守れず、救援陣が逆転サヨナラ負け
• 大谷の2勝目は幻に
• チームの課題は救援陣の立て直し
• 大谷の存在は勝敗を超えて希望
野球の残酷さを示す一戦だったが、同時に大谷翔平の存在感を強く印象づける夜でもあった。
勝ち星は消えても、彼の投球がドジャースに与えた価値は決して消えない。

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