
◆ 神宮に走った衝撃
阪神タイガースのエース・**才木浩人投手(26)**が、9月22日のヤクルト戦(神宮)で思わぬアクシデントに見舞われた。
五回、村上宗隆の鋭いライナーがマウンドへ。強烈な打球は才木の右足首付近を直撃した。才木は苦悶の表情を浮かべ、グラブを投げ捨てて飛び跳ねるような仕草を見せた後、マウンド上で倒れ込んだ。球場は一瞬、静まり返り、阪神ベンチもざわついた。
トレーナーと福原忍投手コーチが駆け寄り、ベンチ裏で応急処置を受けた才木。再びマウンドに戻り、試し投げを行う姿には「チームを背負う」という強い意志がにじんだ。だが痛みは簡単には消えず、六回途中で無念の降板となった。
降板時は右足を引きずりながらベンチに下がり、スタンドの阪神ファンに深々と頭を下げる姿が印象的だった。
◆ 球団発表と才木のコメント
試合後、球団は「右足首付近の打撲の疑い。詳細はこの後、病院で検査予定」と発表。骨への影響や靱帯損傷の有無などは未確定だ。
才木本人は短く「痛みはあるが、何とか投げようと思った。チームに迷惑をかけたくなかった」とコメントし、悔しさをにじませた。
岡田彰布監督は「大事を取った。無理はさせられん。検査の結果を待つしかない」と語り、シーズン終盤におけるエース離脱のリスクに言葉を選びながらも表情は硬かった。
◆ 今季の才木とチームの柱としての存在
今季の才木は、開幕から安定した投球を続け、リーグトップクラスの防御率を記録。二桁勝利を挙げ、阪神先発陣の大黒柱として躍動してきた。
特に夏場以降は、力強いストレートと鋭いフォークを武器にエース格の働きを見せ、チームの首位争いをけん引してきた存在だ。
2019年にトミー・ジョン手術を受け、長期リハビリを経て復活を遂げた才木にとって、今季はキャリアを代表するシーズンとなっていた。ファンからも「完全復活の象徴」として熱い支持を集めている。
◆ ポストシーズン直前の痛恨
阪神はすでにクライマックスシリーズ(CS)進出を決めており、日本シリーズ制覇に向けて投手陣のローテーションを固めている最中だった。そんな中での才木の負傷は、チーム全体にとって大きな懸念材料となる。
CS初戦を任せられる可能性が高かったエースの状態が不透明となれば、代役の先発プランを練り直さなければならない。岡田監督は「誰が出ても勝たなあかん」と語ったが、その表情からはエースを欠く苦しさがにじんでいた。
◆ 専門家の見立て
スポーツ整形外科医によれば「打球直撃の場合、骨挫傷や強い打撲で数日から1週間の安静が必要になることも多い。骨折や靱帯損傷であれば、シーズン中の復帰は難しくなる可能性もある」と指摘する。
現時点では軽症か重症か判断できず、ファンにとっては不安な時間が続く。
◆ ファンとSNSの反応
SNSでは試合直後から「才木大丈夫か?」「CSに間に合ってほしい」「泣きそうになった」といった心配の声が相次いだ。一方で「何とか投げようとした姿に感動した」「あの精神力が阪神の強さ」と称える声も多い。
エースの怪我はチームを揺るがす出来事だが、ファンの祈りと声援は才木の背中を押し続けている。
◆ まとめ ― 運命を左右する検査結果
才木浩人の右足首を襲った痛恨のアクシデント。検査結果次第では、阪神のポストシーズンの戦い方そのものが大きく変わる可能性がある。
「大丈夫であってほしい」――。その願いは選手、監督、そしてファン、誰もが共有する思いだ。阪神の運命は、エース右腕の一本の足にかかっている。

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