『鬼滅の刃 無限城編』、世界興収823億円突破で日本映画史を塗り替える ― 無限列車を超え、国境を越えた社会現象へ

大ヒットアニメ『鬼滅の刃』の最新映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章~猗窩座再来~』が、公開からわずか67日間で全世界累計興行収入 823億5,948万810円 を記録。累計観客動員は 6,702万204人 に達し、日本映画として世界歴代興収第1位に輝いた。

これまで日本映画の“金字塔”とされてきた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年公開、最終興収約517億円)を大きく上回り、まさに歴史を塗り替える快挙となった。

国内市場で示した圧倒的な存在感

日本国内での数字も圧巻だ。公開67日間で 341億8,647万400円、観客動員数は 2,372万7,443人。

2020年の『無限列車編』が記録した404億円に迫る勢いで、今なお動員は伸び続けている。SNSでは「チケットが取れない」「複数回観ても涙が止まらない」といった声が絶えず、リピーターが興収を押し上げている様子がうかがえる。

海外市場での広がり ― アニメ映画の新たな可能性

今回の大記録の特徴は、海外での興行が非常に大きな割合を占めている点だ。

北米、東南アジア、欧州を中心に上映館が拡大し、現地メディアからは「スタジオジブリ以降、最も国際的に成功した日本アニメ映画」と評価されている。

『無限列車編』公開時も世界で話題となったが、当時はパンデミックの影響で上映環境が限られていた。今回の『無限城編』はその制約を超え、まさに“グローバル映画”として観客の心を掴んでいる。

なぜここまで人々を惹きつけるのか?

『鬼滅の刃』がここまでの支持を集める背景には、いくつかの要素がある。

  1. 原作のクライマックス感
    無限城編は原作でも屈指の人気エピソードであり、ファンの期待値が最初から極めて高かった。
  2. 映像表現の進化
    制作会社ufotableによる作画・演出は「劇場アニメの新基準」と評されるほど。猗窩座との死闘を描いた迫真のアクションシーンは、公開直後からSNSで「鳥肌もの」「映画館で観るべき映像美」と拡散された。
  3. 声優陣の演技力
    花江夏樹(炭治郎役)、鬼頭明里(禰豆子役)、下野紘(善逸役)、松岡禎丞(伊之助役)らメインキャストの演技はもちろん、敵役・猗窩座を演じる石田彰の圧倒的存在感も話題となった。

日本映画史に刻まれる快挙

これまで世界的に知られる日本映画といえば、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(全世界約4億8,000万ドル)、新海誠監督の『君の名は。』などが代表的だった。

だが今回、『無限城編』が記録した 823億円超 は、そのどれをも大きく凌駕する。

業界関係者は「日本のアニメ映画が、ジブリや新海誠作品だけでなく、週刊少年ジャンプ原作のシリーズ作品としても世界市場で確固たる地位を築いたことは歴史的」と指摘する。

ファンと共に育つ“鬼滅現象”

『鬼滅の刃』は単なる映画作品にとどまらず、テレビアニメから劇場版、舞台、コラボイベントまで多岐にわたる展開でファン層を拡大してきた。

無限列車編から4年以上が経過しても、ファンの熱量は冷めるどころか増しており、劇場には幅広い世代の観客が足を運ぶ。親子連れや外国人観光客が映画館で並ぶ光景は、今や日常的になっている。

まだ“序章”に過ぎない

無限城編は複数章で構成されることが既に発表されており、今回の「第一章」はその幕開けに過ぎない。

次章以降でいよいよ物語は最終決戦へと進む。今回の大記録をさらに更新する可能性は高く、日本映画史に前例のない規模の興行が展開されることが予想される。

まとめ

『鬼滅の刃 無限城編』は、国内外での驚異的な興行収入を背景に、日本映画の歴史を新たに書き換えた。

かつて『無限列車編』が残した“社会現象”を超え、今度は“世界現象”へ。

その歩みはまだ始まったばかりであり、日本発のエンターテインメントがどこまで広がっていくのか、今後の展開に大きな注目が集まっている。

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