
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が20日(日本時間21日)、本拠地ドジャースタジアムで行われたジャイアンツ戦で今季第53号となる豪快なホームランを放った。1番・指名打者として先発した大谷は、七回の第4打席で相手右腕ペゲーロが投じた時速99.9マイル(約160.7キロ)のフォーシームを完璧に捉え、右翼席中段へ一直線に運んだ。
この打球は打球速度107.4マイル(約173キロ)、飛距離403フィート(約123メートル)、打球角度33度という、まさに“理想的なホームラン”の条件を揃えた一撃。場内のファンは打った瞬間に立ち上がり、大歓声がドジャースタジアムを包んだ。
2試合連発で本塁打王争いトップタイに
大谷は前日の52号に続く2試合連続アーチ。これで今季本塁打数はカイル・シュワーバー(フィリーズ)と並ぶ53本となり、ナ・リーグ本塁打王争いは完全に“横並び”の激戦状態となった。
シーズン終盤に差しかかるこのタイミングでの大谷の一発は、チームにとっても本人にとっても大きな意味を持つ。ドジャースはこの本塁打をきっかけに逆転勝ちを収め、ポストシーズンへ向けて勢いを加速させている。
試合後、ロバーツ監督は「翔平は我々のムードメーカーであり、流れを変える存在だ。160キロ近い速球をあの角度で打てるのは、彼しかいない」と最大級の賛辞を送った。
日本人初の快挙、アジア記録も更新中
MLBの歴史を振り返っても、日本人選手がシーズン50本を超える本塁打を放ったのは大谷が初めて。53本という数字はすでにアジア出身選手としての歴代最多記録を更新中で、球史に新たな1ページを刻んでいる。
また、大谷の一発は「豪快さ」だけでなく、「勝負強さ」にも注目が集まる。得点圏や試合の大事な局面で放つホームランの多さは、チームの勝敗を大きく左右している。今回の53号もまさに試合の流れを変えた一打だった。
ファンとメディアの反応
SNSでは「160キロを簡単に運ぶのは彼しかいない」「53本目は芸術的な一発」「本塁打王争いが熱すぎる」といったコメントが続出。米スポーツ専門局ESPNも「ショウヘイがシーズン終盤でギアを一段上げた」と速報で取り上げるなど、アメリカ国内でも大きな話題となっている。
日本国内でも早朝から「#大谷53号」がトレンド入り。ファンの間では「イチローが首位打者を取った時以来の興奮」「本塁打王を取れば真の二刀流の証明」と、期待と熱狂が広がっている。
まだ続く“ショウヘイ劇場”
シーズンも残り10試合余り。大谷は本塁打王争いだけでなく、打点やOPSなどでもリーグ上位をキープしており、“三冠王”の可能性さえ取り沙汰されている。
MLBの歴史に新たな伝説を刻み続ける大谷翔平。53号は単なる一本のホームランではなく、彼が歩んできた軌跡と、これからの期待を象徴する一打となった。ファンの視線はすでに、次の54号、そしてその先にある本塁打王の栄冠へと注がれている。

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